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15 1月, 2012

「長谷川豪展 スタディとリアル」レポート

1月14日よりTOTOギャラリー・間にて開催の「長谷川豪展 スタディとリアル」プレス内覧会に行ってきました。

ギャラ間139回目の展覧会で、長谷川さんは個展としては最年少出展者。

3階展示室。大きな真っ白の展示台に模型が二つと印刷物、さらに椅子がちょこんと置いてあります。しばし展示の意図を考えながら...

椅子に座ると展示台に小さく「桜台の住宅」の文字とその平面図。つまりこの展示台は「桜台の住宅」の中央に設置されたテーブルの実物大でした。

2012年4月に完成予定の「日本デザインセンター」のインフィル設計。

「五反田の住宅」の部分模型。

「石巻の鐘楼」。通常建築の展覧会では模型、図面、写真、部分など展示用ものになりますが、これは"実物"。展示作品でありながら最新作、展覧会後解体され実際に寄贈移築されます。

移築されるのは「石巻栄光幼稚園」(左) 。鐘楼の鐘はドイツのメレ市庁舎 (右) で80年間使われ、オランダのベルメーカーで保管されていたものを現地で見つけ日本に空輸したそうです。

ギャラ間、石巻の幼稚園という全く異なる二つの敷地に建てられることを想定しながらの設計。

TOTOビル隣にあった健保会館ビルが解体された為、ギャラ間の中庭が露出しこんな感じで見えています。

鐘楼からは六本木交差点まで見通せる。 この外苑東通りと鐘楼の一辺は角度が同じに建てられています。

4階展示室にも大きな展示台が。今度は何の実物大でしょうか...

それはこちら「狛江の住宅」。模型右の低くなっている側、この屋根兼庭部分の実物大でした。

もう一つ、 「経堂の住宅」屋根断面図の実物大。

「経堂の住宅」は屋根が非常に薄く設計されている。その屋根の薄さを実感できるよう実物大の断面図が展示台に記されています。

「練馬のアパートメント」。集合住宅でありながら各部屋に "中庭" を備えています。

デビュー作「森のなかの住宅」。

独特な小屋裏の様子。

「浅草の町家」(中央の塊左下)。

「森のピロティ」 。スタディ模型と並んでおり、最終型は一番奥。会場でいうと窓側です。

「駒沢の住宅」は軸組模型で展示。

健保会館がないため夕日が差し込み模型の森に長いが影が。

同日ミッドタウンで行われたプレスカンファレンス。展覧会のテーマである「スタディとリアル」について説明する長谷川さん。

模型は非常に多く作り "スタディ" を繰り返すそうです。写真は「練馬のアパートメント」の模型群。前出の「狛江の住宅」では500もの模型を検討。 「模型を作り続けると模型が話しはじめる。思考を外部化できるのです。」と長谷川さん。

ギャラ間企画委員の原研哉さんと鐘を突くと、とても爽やかな音が乃木坂の街に響き渡りました。
因みに会期中は近隣に配慮し自由に鐘を突くことはできません。12時、15時、17時と一日に3回突くそうですので、その時間に合わせての来場がオススメです。


長谷川豪さん。「リアルな展覧会はどうすればできるかと考え実物大や実物を展示しました。また展覧会の話を受けた後3月11日の震災がありました。建築家として何が出来るかを熟慮し、この展覧会とうまく絡めた作品 (鐘楼) を作ることが出来ました。」

【長谷川豪展 スタディとリアル】
会期:2012年1月14日 〜 3月24日
会場:TOTOギャラリー・間

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