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17 2月, 2012

MAISON & OBJET、パリ レポート

毎年1月と9月にフランスはパリにて開催される欧州随一の総合ライフスタイル見本市、MAISON & OBJETへ行ってきました。



国際的に注目されているMAISON & OBJETでは、出展社数は約3000社、来場者数は約85,000人に登り、うち海外から半数の出展社と来場者が訪れます。






8つのホールで構成されるこの大規模な展示会場には、各々のテーマが設けられます。

HALL 1 はエスニック、ギフト、HALL 2 はホーム・テキスタイル、HALL 3 はテーブルウェア、HALL 4 はクラフト、美術・工芸品、HALL 5 はホームアクセサリー、園芸品、HALL 6 はホームアクセサリー、浴室アクセサリーなど。
また、注目度の高い7と8のホールでは、HALL 7 は『Scènes d'intérieur』と呼ばれ、世界的に有名な高級ブランドが並び、高級感あるインテリアテキスタイルが展示されます。HALL 8 は『NOW! design à vivre』と呼ばれ、デザイン性の高いとされるオブジェや家具が広いブースで展示されています。




_HALL 7 の様子


_HALL 7 の様子


_HALL 7 の様子


今回はHALL 7 より2社、インテリア素材として注目したい京都のテキスタイルメーカー、HOSOOと今回初出展となる大阪の壁紙メーカー、SEKOを紹介します。

HOSOO
HOSOOはインテリアやファッションファブリック製造、卸売・輸出業まで手がける、京都の西陣織老舗。


_HOSOO 2012 collection


_HOSOO fabric

これまで西陣織で培った高い技術や感性、装飾の美を凝縮したファブリックを展開。世界の高級ブランドが注目するファブリックブランドへと一歩づつ成長を遂げる今注目のファブリックメーカー。今春にはHOSOO生地を使った家具が発表される予定。


_HOSOO展示 会場にて



SEKO
創業49年になる壁紙メーカー
壁紙の製造から販売・施工までを一貫して行う珍しい会社です。



日本と海外の壁紙に関しての相違意見をお聞きしたところ、『壁紙は国内では9割以上がビニール壁紙でほとんどが白〜アイボリーで無地ですが、壁紙はインテリアの要素としては消えつつあります。国内では単純に安くて施工性が良ければ何でも良いというのが実情ですが、海外ではまだ壁紙はインテリアの要素として残っているということが今回分かりました。』

そして、海外での今後の展開については、『意匠が値段と品質をともなっていれば販売の可能性は大きいと思いました。』とお答え頂きました。



_今回出展されていた織物壁紙1


_今回出展されていた織物壁紙2


_今回出展されていた織物壁紙3


Maison et Objet では毎年、テクノロジーとデザイン (TECH&DESIGN)、素材 (Highlight Material)、デザイナー (Creator of the Year) の3つの項目からそれぞれ1つピックアップし、HALL8とHALL7の間の空間で展示を行います。

TECH&DESIGNに選ばれた、
R3iLab


_R3iLab「テック&デザイン」


今年のハイライト・マテリアルに選ばれたBLANC BIJOU社は、長野県に工場を持つ日本特殊機材工業株式会社。



蛍石が原料の新素材[BLANC BIJOU]は、同社が開発した新素材は、レア・プラスティック。
細粉し白くしたものを固めて、新しくプラスチック成形した物で、いつまでも白く、柔らかく、なめらかな肌触りです。


_蛍石


MAISON & OBJETでは毎年『Creator of the Year』にデザイナーが一人選ばれます。2012年度は昨年ミラノサローネで脚光を浴びた吉岡徳人氏が受賞されました。



日本のデザインに世界が注目


_吉岡徳人氏



音の波動によって形が変化するクリスタル。
Frédéric Chopinによる「Fantaisie - Impromptu, Op. Posth.66」 が演奏される中、結晶の成長によって描かれたという。


_結晶化した絵画「Fantaisie - Impromptu, Op. Posth.66」

来場された多くの方が氏の創造力、詩的な表現、完成度の高さ、正確さ、美しさに驚いていました。これは、日本に対して世界の多くの方が持っている共通認識だと感じました。



また、ジェトロでは、昨年度、経済産業省日用品室が主 催した「平成22年度生活関連産業海外市場開拓支援事業(J STYLE+)」の出展スペースを「J STYLE+」(震災復興支援事業)として、主に東北地方の中小企業を選定し、デザイン性や機能性に優れた日本の生活関連用品(インテリア、日用品、家具 等)を集めた企画展「J STYLE+」を開催していました。



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